なぜ落雁を備えるようになったのか

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2021年07月04日

仏教の葬儀の時に仏前に供え物として見かける落雁は、菊の花の形をしている物をはじめ、色々なものが存在しています。しかし、なぜ落雁が供え物となっているのでしょうか。そもそも落雁は干菓子の一種で、大豆やコメなどの穀物と砂糖を使って作られています。

白やピンクなど色鮮やかな物も少なくありません。もともとは中国から室町時代に伝わってきた菓子で、茶道が広まったのと同時に全国に広まったといいます。葬式時に備えられるようになった理由は、目連(もくれん)という僧侶が亡くなった自分の母親だけでなく、修行僧や恵まれない人たちにも百味飲物(ひゃくみのおんじき)と呼ばれる施しをしたことが始まりです。

特に甘いものが良いといわれていたため、落雁が供えられたとされています。特に白砂糖は貴重品で、仏の世界と縁のある城を象徴した落雁が用いられるようになったといいます。また、いずれなくなる消耗品であることから、不幸がずっと続かないようにという意味を込めて供えられている説も存在しているため、葬儀にふさわしいとされてきました。

法要が終わってから供え物はすべて下げることになりますが、捨ててしまうことは避けてください。そのまま食べることや、あたたかい飲み物に入れる方法、さらに砂糖をふんだんに使っていることからお菓子の甘みとして使うことも可能です。

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