2017年01月23日
葬儀を執り行おうとすると日常生活と異なり、色々と臨時費用がかかるため、昔から近親者や仕事上の付き合いのあった人あるいは、隣近所の人が金品を出して経済的に助け合う相互扶助的な色彩の強い習わしが香典となって今日まで続いており、自宅や葬儀会場に出向いて喪主側に渡すわけです。ところが、近年は家族や親族で葬儀を手伝える人の減少や普段からの付き合いの希薄化あるいは、自宅スペースの狭さ等の事情が重なって自宅で葬儀を行うケースがすっかり影を潜めてしまいました。そこで、葬儀場でも大規模な社葬から、一般葬や家族葬に対応する広さの会場を取り揃えているので、大都市圏では自宅葬をわざわざ行うことが稀になりました。その代わり、自宅で行うより費用がかかるので、通夜や告別式にはお金を包むことが当たり前となっています。
また、過去の高度経済成長時代に諸物価が高騰した際、葬儀会場費あるいは、読経費用や戒名費用等、葬儀に関わる費用も高騰して社会的な問題になった時期があり、参列する場合の香典も急騰したことがありました。この問題はその後、こうした多くの批判を受けて業界全体で明瞭会計化を打ち出したことで一段落して今日に至っています。最近は、喪主側の希望するプランに応じて明瞭会計が一般的に普及しているので費用面では安心して葬儀を行えるようになりました。従って、通夜と告別式の参列者数や葬儀場の格式等により葬儀費用の見当をつければ、香典の世間相場がインターネット情報として一覧表になっているので、包むべき大まかな金額を把握できます。
しかしながら、突然、友人や知人の訃報を受けると平素、葬儀の内容を意識する機会が少ないので、いくら位包んで参列したら良いか、分からずに右往左往することもあります。こうした時でも出来る限り自分の仕事等のスケジュール調整をして通夜や告別式に参列し、静かに見送ってあげることの方が故人を供養してあげる上で大切です。世間相場や包むべき金額が世間にまともしやかに伝わっていますが、それほど意識しなくて良いはずです。この世間相場を参考にして故人との関係や生前の付き合い程度等を考えて不祝儀袋に入れる金額を決める人が多くなっていますが、自分の経済力あるいは、社会的な身分も考慮して判断すれば済むことです。